3ステップで誰でも出来る!ブランドコンセプトの作り方
私が以前作ったブランドは、作成当初、特に大きな意味を持たせず語呂合わせでブランド名を決めました。
しかしブランドを作った後、よくブランドの意味を問われることがあり、その際に明確に答えることが出来なかったので非常に後悔していました。
今思うと初めからしっかりブランド名に意味を持たせて決めるべきでした。
一度ロゴを作ってしまえば、名刺やブランドサイト、自社ブランドなどに利用することになり、後から変更するのは非常に難しくなりますからね。
だからこそ、必要な知識を身につけて、しっかりとブランドの軸作り込むことが、これからブランドを展開する上で一番重要なことだと思います。
世の中には有名どころから無名まで沢山のブランドが存在しますが、是非ブランドを作る際は有名ブランドに成り上がるつもりで作り込みましょう!
これからブランドを作る人に向けて、ブランドコンセプト作成手順をお伝えします!
ブランドについて知る
まずはブランドを作る前に、ブランドとは何なのかを知る必要があります。
ブランドの語源とは?
ブランド (brand)の語源は元々紀元8世紀から10世紀にかけて活躍したヴァイキング(今で言う海賊)が使っていた、ノルウェー語の「brandr」から来ていると言われています。英語では「burn 」焼くという意味を持ちます。
彼らは、飼育している動物と他の動物を区別するため、また所有物の証として動物の背中や、わき腹に独特な模様の焼印を押したそうです。英和辞書で調べると「brand」には焼印の意味があることが確認できます。
そして産業社会におけるブランド(マーケティング)の起源は、1879年P&Gの創始者であるハリー・プロクターが従来の棒石けんを小型成型して包装し、『アイボリー(Ivory)』という商標をつけて売りだしたことが近代的なブランドの始まりであると言われています。
P&G「アイボリー」の誕生秘話
アイボリーの誕生は、従業員が間違えて石けんをミキサーに入れたまま放置した物が、通常より多くの空気が含まれたまたま「水に浮く石けん」が出来上がったことが起源です。
19世紀後半のアメリカは川で汲んだ濁った水を沸かしてお風呂に使っていた時代です。石けんがバスタブの底に沈んでしまうと探すのが大変だったのですが、「水に浮く石けん」のおかげでその問題が解決されたそうです。
その時代の石けんにブランド名を目立たせて販売されることはなく、大きなかたまりを店主が切り分けて茶色い紙に無造作に包んで量り売りするのが一般的でした。
しかし、P&Gの創業者ハーレイ・プロクターは、もっとよいアイデアを思いつきました。
「IVORYという名前を包装紙に印刷して、一つずつ包んで売ろう」
『IVORYロングセラー物語』より引用
これにより単なる消耗品だった石けんが、ビューティーブランド製品へと生まれ変わりました。
ブランドに対する誤解
ブランドとは、顧客が感じる価値を体現化し、一つのシンボルとして表現したものです。
しかしながら、ブランドと聞くと多くの方が「有名ブランド」や「高級ブランド品」などの名前をイメージしてしまいます。
値段などは関係ないため高級ブランド品のみを示すものではありません。
なので、誰だって顧客が感じる価値をしっかりと体現化すれば企業、個人関係なくブランドシンボルを掲げる事ができます。
見方を変えれば、私達自身も一人ひとり違う、名前というブランドを持っています。
この場合、大事なのは名前では無いはずです。その人から連想される価値観や世界観がもたらすイメージ、これこそが私達が作り出すブランドなのです。マークや名前自体にはブランドの本質はありません。
また、このイメージは創業者単独や企業だけでは作ることは出来ません。個人なら友達や家族、企業なら顧客や従業員たちと一緒にブランドの共通認識イメージを育てていくのです。
企業がブランドを通して明確なコンセプトを伝え、それに対する顧客の期待に答える。これが出来れば、やりとりを続けていくうちに企業と顧客の間に長期的な信頼関係が生まれ、唯一無二のあなたブランドになっていくことでしょう。
そして、どんなビジネス、人生であっても、このブランド信念をしっかり持つことが、軸のブレない経営やライフスタイルにしていくために必要不可欠なのです。
モノとブランドの違い
この違いを知っていると実際に製品を作る際にとても役立ちます。
モノの定義とは?
モノとは、普通名称で用いられる製品です。わかりやすく言うと「ハサミ」や「帽子」、「靴」などです。
今回はこの「帽子」を取り上げてご説明しようと思います。例えばこんなかんじですね。
- 麦わら帽子 ▶ 太陽から頭を守るため。
- ヘルメット ▶ 危険な場所で頭を守るため。
- ニット帽 ▶ 寒さから頭を守るため。
このように帽子といっても色々な種類があり、それぞれ用途が違います。しかし、帽子というカテゴリーにおいては、「頭を守る」この目的を果たすために作られています。
各企業が帽子を作るために、独自の製法や技術で製品化しており、当然ながら商品のデザインや品質、機能性などは異なってきます。
これが、企業が生み出す帽子というモノ(製品)になります。この時点では、この帽子はブランドではなく、モノなのです。
なぜ帽子がブランドではないのか?
それはデザインや品質、機能性などは真似ができてしまうからです。
もちろん特許等、権利を有するものもあります。しかし、今回の帽子の場合、果たす目的は同じですので、多くの企業が自然と同じような機能を持つ製品を提供することになります。
そうなった場合、モノ自体の価値は市場規模の拡大とともに低下し、消費者にも類似品から商品を選択する労力が必要になっていきます。
こうしてあなたの製品はブランドではなく、価格などの表面的な選択肢によって商品選定されることになっていくのです。
どうすればブランドとして認識してもらえるのか?
これは冒頭でもお話したように、まずはブランドに対するしっかりとした軸をもつことです。
ブランドが提供する信念(こだわり)を持ち、シンボルを掲げることが出来ないと、方向性やブランドの意味を顧客に提供していくことは出来ないからです。
WPPグループのステファン・キング氏の言葉にこのようなものがあります。
「製品は工場で作られるものであり、ブランドは顧客が買うものである。競業者が製品を模倣しても、ブランドはユニークさを保つ。製品はすぐ時代遅れになるが、成功するブランドは永遠である。」
ブランドとして認識してもらうには、顧客との関係を築き、育てていくしかありません。顧客に自分のブランドを認識してもらい、ブランドの思いを届けてあなたの製品を求めている顧客の期待に答えていきましょう。
既にあなたも様々な企業ブランドから身を持って体験しているはずです。
スーパーで食品を買う時、宅配便業者を選ぶ時、服を買う時など、なぜあなたはそれらを選ぶのか?
この理由こそ、ブランドがもたらす企業とあなたにしか分からないブランドの本当の価値です。
ブランド価値の種類
自分でブランド立ち上げて製品を提供してきた経験上、顧客が感じる価値には4つあると思われます。
①個性的価値
これはブランドそのものが発信するユニークな特徴価値です。
雰囲気であったり、コンセプトに対する姿勢など、決して手に取ることは出来ないそのブランドの世界観を感じる価値です。
この価値を作るのは容易ではありません。ブランドが何者なのか明確にする必要があります。
②機能価値
これは製品を作るときに考えなければならない価値です。
つまり、商品の特徴やスペック等による商品自体が持つ価値のことで製造者が作り出すものです。
この価値を作るためには、参入する市場の顧客が欲する要素を調べ、商品自体にどんな機能が必要か研究しなければなりません。
③態度価値
こちらはあなた自身が提供する価値です。具体的には、顧客対応だったり、購入後のフォローだったり、販売者が作り出す価値になります。
この価値を作るためには、「どうしてあなたから買いたいか?」この質問に対する明確な答えを持つことです。問題点を洗い出し、回答をじっくり考えてみましょう。
④体感価値
こちらは、顧客が製品を入手した時に生まれる満足感です。
この価値は、ブランドの個性、商品の機能価値、そして販売者が提供する態度価値を含み、受け取った時の消費者の感情を表わす価値です。
この価値を作るには、ブランド、商品だけでなく、受け取った時に湧き出る感情をも考えていかなければなりません。
4つの価値をつくるには
最終的にこの4つの価値を作り上げ、提供できればあなたの製品は選ばれることになります。
では、どうすれば4つの価値を提供できるのか?答えは簡単です。あなたが製造者、販売者、消費者の目線を持つことです。
「おいおい、そんな事出来ないよ」と思われるかもしれません。しかし、今の時代私のような個人でもブランドを企画して、販売し認知させることに成功しています。
ブランドは元々1人の人間の思いから始めるようなもんですから誰だってできます。
もし私がゼロから始めるなら、今までの自分の経験を元に、好きな事をベースにしてブランド作りを始めます。であれば、4つの価値を提供していく事はそんな難しくはありませんからね。
何より楽しいですので。
ブランドがもたらす資産価値
ブランドには目には見えない資産価値(ブランド・エクイティ)があります。もちろん作った当初は、全く価値はありません。しかし、2年、5年,10年と時間をかけて大きな資産を作り出す事ができます。
例として、大企業のブランド価値を見てみましょう。これは世界最大のブランディング会社であるインターブランドが2月12日に発表した世界的に見たブランド価値ランキングトップ30です。
『Japan’s Best Global Brands 2015』より引用
ちょっと分かりにくいので表を作りました。
1位のTOYOTAは2015年4月16日時点で日本円に換算すると5兆円を超えています。恐ろしい額ですね。。
もちろんこれは日本企業のトップのお話しなので、かなり非現実的です。ただ私がお伝えしたかったのは、ブランドには資産価値が生まれるということです。
実際に私も、ゼロから1年半育て上げたブランドが通常では得られないようなオファーや、口コミによる購入者の増加を体験することが出来ました。
そして最後にはブランドを資産として売却しています。このようにしてブランドを資産としてとらえ、運営していけばたった1年半でもそれなりの価値を作っていけるのです。
ブランドを作る前に知っておくべきこと
ここまでのお話しをまとめたいと思います。
- 元々は他人との区別、または所有物としての用いられる焼印だった。
- ブランドは企業と顧客の共通認識で育てていくもの。
- ブランド自体がブレない軸を持つことが重要。
- ブランド価値を作り出すには、独自の目線を持つこと。
- ブランドは最高の資産になりうる。
これらを意識してブランドづくりをすれば、ただ名前をつけたような無意味なブランドができる事は無いはずです。
ブランド作りをさせる際は是非参考にしてください。
ブランドコンセプトを作る為の自己分析
さて、ブランドについて知った後は、ブランドを作りですね。ここでは実際に、ゼロからブランドを作ることを想定した具体的手順の下準備をお伝えしていきます。
Step1 自分の可能性を全て書き出す
まずはブランドを作るあなた自身について分析します。どのような物に興味があり、どんなことに向いているのかを明確にすることによって、その内容からブランドの根源を作り出すことが可能になります。
自分の歴史表を作る
まずはじめにやって頂きたいのが、この自分の歴史表作りです。
『例:私の歴史表』
A4サイズの紙を一枚用意して、真ん中より少し上の方に1本線を引き、自分が経験してきた目盛りを付け加えてください。この目盛りは人によって異なりますので各自調整してください。経験が多い人はもっと細かく目盛りを付けれる人もいるはずです。また、作成する際は目盛りの感覚を大きく空けてください。
そして、目盛りの下にその時期に経験したこと、趣味、実績、やりたかったことなどを箇条書きで出来るだけ沢山書き出してください。今回の例は説明上、都合が良いため、一部のみ記載しています。実際はもっともっと細かく書き出してください。
また、ここには書いていませんが、現在の目盛りも作り、書き出すことをオススメします。
Step2 強みと望みを取り出す
書き出しが終わったら、箇条書きにした文章を全てまとめて、自分の強みと望みを抽出する作業に入ります。
このようにして箇条書きからどんな強みや望みがあるのかを明確にしていきます。
この箇条書きをしっかり書き出せていないと強み、望みは出てこないので歴史表作りはじっくり時間をかけて行ってください。
Step3-1 強みからコンセプトを作る場合
さて、出てきた強みから実際にコンセプトを作る作業に入ってみたいと思います。
今回は、強みの中にある「テールランプを加工できる」「カー用品に関する知識がある」がある事から『カー用品』を扱うブランドとして考えていきます。
この時点でブランド自体のコンセプト基盤は出来ていますが、具体的に何をしたいのかは決まっていません。なのでコンセプトを明確にしていくためにどんな商品を取り扱うか考える作業に入ります。
選定方法には2つの方法があります。
- 強みを更に絞り込んで、コンセプトを考える。
- カー用品という市場から製品とコンセプトを考える。
強みを更に深堀りしてみる
今回の場合、「テールランプ加工ができる」「カー用品に関する知識がある」からカー用品を扱うというお話になりました。
なので簡単ではありますが、こんなふうにテールランプ加工を深堀りしてどんなものに関わりがあったか調べてみます。
この時に困ったことや思ったことなどが、意外とコンセプトにつながったりします。
私だと、物を売るとするなら、この辺りを考えたりします。
- 材料代が結構高く付いたので「安くで提供できる材料屋さんをしよう!」
- テールランプを分解するのが大変だったので「簡単に開けるカッターは作れないか?」
このへんは実際に経験していないとわからない所なので、あなただけの強みを活かせる部分です。
ネットでカー用品を調べる
2つめはカー用品という市場から考えてみます。カー用品といっても、色々な種類があります。
光モノ、内装パーツ、エアロパーツ、チューニングパーツ、タイヤなどなど。まずは一番手軽なネットで検索してみましょう。
- 楽天市場
- Amazon.co.jp
- ヤフオク
- ヤフーショッピング
日本で販売するのであれば、基本的にこの4つで検索すれば大抵のものは見つかります。カー用品に特化すれば、オートバックスなどのカー用品専門店サイトを見るのもありです。
「見るべきポイント」
- ランキングをチェックして売れ行き商品を確認する
- 売れ行きの値段をチェックする。
これらを確認すると、今どんなものが人気なのか見えてきますので、その情報を元に次のステップに進みます。
車関係の雑誌を読む
ここでは、雑誌から最近のトレンドや製品機能などを確認できたり、製品と関係ない場面などからアイデアが生まれるかもしれません。
ブックオフなどの古本屋さんや大型書店、図書館など色々確認できる場所はありますよ。
カー用品店に行ってみる
最後は、カー用品店に行ってみましょう。ここまでくれば既に頭の中にカー用品に関する人気商品の知識が付いていると思います。
どんなものがあるのか現物を見ながら確認してみましょう。
チェックポイント
- どんなものが人気製品として取り上げられているのか確認する。
- 気になる製品は大体でいいので値段を把握する
- ネットとの違いはないか確認する。
取扱商品から考える
このようにカテゴリ、製品と絞っていくと、どんな物を扱えばいいかある程度わかってくるはずです。そこから見えてくる問題解決部分をコンセプトにすることも出来ますし、参入できるすき間発見のきっかけにもなりえます。
ちなみに私はこの方法でカーラップフィルムブランドを立ち上げました。簡単ですが、徹底してやると意外と見えてくるものもありますよ。
もちろん、モノの販売以外でもこの方法は活用できます。
自分の深堀りした強みを生かせれば仕事=趣味のようになって楽しいです!
※ご自身が選択したカテゴリーが納得行かない場合は、強みの中から再度カテゴリーを変えて検討してみてください。いずれにせよ、お好きなカテゴリーを選ぶのが気持ちも深く追求できるの良いと思います。
Step3-2 望みからコンセプトを作る場合
今度は望みからコンセプトを作っていくパターンです。
私の望み「いつでも旅行へ行きたい」から必要な物を簡単に書き出してみました。
このやり方は望みがベースなので、すでにコンセプトが出来ているような状態です。いつでも旅行へ行きたい人=自分がターゲットのため、非常にやりやすく、扱う商品やサービスも先ほどのカー用品のようにカテゴリーに絞られることはありません。
悩みから製品化
必要なものからスーツケースを取り出し、その悩みを考えてみました。
好きな物って誰でもこだわりますよね?私は特に持ち物減らしてシンプルライフをしたいので非常にこだわります。こだわればこだわるほど既存品では満足出来ない不満や悩みが出てきます。
それらを元にしてコンセプトを作ると、意外と世の中に求められているものが作れたりします。
そして、物によってはこういったことも個人レベルで可能です。具体的な再現方法については別の機会に記事にしたいと思います。
まとめ:ブランドコンセプトは誰でも作れる
いかがでしたか?
見ていただいたとおり、意外とブランドコンセプトを作ることはそんなに難しくないです。この方法はモノだけじゃなく、サービスを提供する場合であっても活用できます。
人生においても自分自身のコンセプトを立てておけば、行動するときの軸となります。
人生も仕事もそんな軸のあるやり方で生きていきたいものですね。
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